光のもとでⅠ
「……私には記憶がないので、気持ち的には初めまして、です。でも、本当は知り合いみたいだから、久しぶり、でも問題ないと思います」
 目の前の人は居心地悪そうに苦笑を浮かべている。
 どうしたらいいのかな……。
 考えていると、ふと夢で聞いた声を思い出す。
 ……私、この人に謝ってたんだ……。
「藤宮秋斗さん……」
 真正面から名前を呼ぶと、
「フルネームは勘弁ね」
「……じゃぁ、なんて呼んだらいいのでしょう?」
「記憶を無くす前は、秋斗さん、って呼んでくれてた」
「……今もそう呼んでいいんですか?」
「うん……そのほうが嬉しい」
 苦笑ではなく、ふわりと優しく笑った。
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