光のもとでⅠ
「とりあえず座ったら?」
 ツカサはソファの方へと移動し、秋斗さんにスツールに掛けるよう声をかけた。
 秋斗さんは、「えっ? ここに俺が座るのっ!?」といった様子でツカサを見る。
「翠に会いにきたんだろ? 話しに来ておいてどこに座るつもり? 別に廊下でもかまわないけど、大声で喋ると栞さんに怒られるよ」
 ……ツカサ、容赦なさすぎるよ。
 おずおずとスツールに腰掛けた秋斗さんは、さらに居心地の悪そうな顔になった。
 夢では鳥肌が立つほどの何かを感じたのに、今はなんとも思わない。
「……秋斗さんって、怖い人じゃないですよね?」
 ついストレートに訊いてしまう。すると、
「くっ、そういうところ、本当にそのまま翠葉ちゃんだよね」
 秋斗さんはおかしそうに笑った。
 その笑顔にほっとする。
 少しは緊張が解けたのだろうか。
 相手が緊張していると、どうしてもそれが自分にも伝染してしまう。
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