光のもとでⅠ
 逆に、秋斗さんは緊張の面持ちになった。
「……秋斗さん?」
「……どうして怖いと思ったの?」
「夢を見たとき、どうしてか怖いと思ったんです。でも、間違いだったみたい」
 笑って答えると、「そう」と声のトーンが落とされた。
「……秋斗さん?」
「……俺はね、あまりいい人じゃないから。いい人でも優しい人でも大人でもなく、いつも君を困らせてばかりいたんだ」
 秋斗さんの表情が苦く歪んでいく。
「ツカサと同じ……。記憶の話をするとき、つらそうな顔をするんですね」
 それは私が何かをしたから……?
 私は何をしてしまったのだろう。
「翠葉ちゃん、違うよ。君が悪いことをしたわけじゃなくて、俺が間違えたんだ」
 唇をきゅっと真一文字に引き締めた秋斗さんは、覚悟を決めたような顔をした。
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