光のもとでⅠ
「その出来事の中に私がいるんですか?」
 秋斗さんはゆっくりと大きく頷いた。
「その中心に翠葉ちゃんがいる」
 真っ直ぐに見つめられ、少し困った。
 だって、心臓がぴょん、て飛び跳ねたから。
 なんて説明したらいいのかわからない。
 でも、ずっと見られているとドキドキする。
 もっともっと強くとんぼ玉を握りしめ、冷静になろうと努力する。
「どうして――どうして、その中心に私がいるんですか?」
「それを教えるために全部を話したいんだけど……いいかな?」
 私はすぐに答えることができなかった。
「……やっぱり怖い?」
 気遣うような目で見られる。
「怖いけど……知らないのはもっと怖い気もするんです」
「そうだね……。俺が翠葉ちゃんでもそう思うのかもしれない」
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