光のもとでⅠ
 秋斗さんは少し深めに呼吸をすると、
「話をさせてもらえるかな?」
 嫌、と答えることはできなかった。
「その前に飲み物くらい用意しようか」
 秋斗さんがスツールから立ち上がる。
「ごめんなさい、冷蔵庫の中は空っぽなんです」
「大丈夫、自販機で買ってくるから。翠葉ちゃんのは栞ちゃんにハーブティーを淹れてもらうからちょっと待っててね」
 言うとすぐに病室を出ていった。
「……緊張しているのは私だけじゃない?」
 ポツリ、と零すとツカサが病室に戻ってきた。
「平気?」
 いつもの静かな声で訊かれる。
「うん、大丈夫……」
「泣きそうな顔してるけど?」
 泣きそう……?
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