光のもとでⅠ
「……ごめんなさい」
「いや、その件に関してはちゃんと謝ってもらってる。蒼樹が間に入ってくれて、赤い花と黄色い花のたとえ話をしたんだ」
赤いお花と黄色いお花……?
「あ――赤いお花は一年草で、黄色いお花は宿根草……。私が欲しいのは赤いお花で……」
「そう、それ」
どうしてか、その話は覚えていた。
私が欲しいのは赤いお花だけど、赤いお花さんは黄色いお花さんのほうが毎年楽しめるから、と「黄色いお花をお持ちかえりください」と言うのだ。
でも、私が欲しいのは赤いお花で、「たとえ一年という限られた期間でも赤いお花と過ごしたい」と、そういうお話だった。
「そのあとにもう一度話す機会を蒼樹が作ってくれて、俺は訊いたんだ」
「なんて……?」
「少しでも俺が好きなら俺の側にいてくれないかな、って」
「私はなんて答えたんですか?」
「ひとつ訂正させてほしいって言われた」
秋斗さんはクスリと笑う。
「いや、その件に関してはちゃんと謝ってもらってる。蒼樹が間に入ってくれて、赤い花と黄色い花のたとえ話をしたんだ」
赤いお花と黄色いお花……?
「あ――赤いお花は一年草で、黄色いお花は宿根草……。私が欲しいのは赤いお花で……」
「そう、それ」
どうしてか、その話は覚えていた。
私が欲しいのは赤いお花だけど、赤いお花さんは黄色いお花さんのほうが毎年楽しめるから、と「黄色いお花をお持ちかえりください」と言うのだ。
でも、私が欲しいのは赤いお花で、「たとえ一年という限られた期間でも赤いお花と過ごしたい」と、そういうお話だった。
「そのあとにもう一度話す機会を蒼樹が作ってくれて、俺は訊いたんだ」
「なんて……?」
「少しでも俺が好きなら俺の側にいてくれないかな、って」
「私はなんて答えたんですか?」
「ひとつ訂正させてほしいって言われた」
秋斗さんはクスリと笑う。