光のもとでⅠ

「……全部知りたいです。全部――」
　きちんと目を合わせて秋斗さんにお願いする。
「全部、包み隠さず話してください。……大丈夫だから。自分のしたことは知っておきたいです」
「……わかった。でも、翠葉ちゃんだけが悪いわけじゃないし、全部過ぎたことなんだ。それだけはわかっていてほしい」
　過ぎたことでも、私の中では過ぎたことではないから記憶を無くしたのかもしれない。
　私は何かから逃げるために記憶を無くしたのかもしれない。
　そんな自分は嫌だ――。
　目を背けてばかりの自分は嫌……。
　ツカサにこんな目で見られるのは耐えられない。
「翠……」
　ふいにかけられた声。