光のもとでⅠ
「秋斗さん……私にはその記憶がないんです。だから、そんな顔も声も、しないでください」
大きな声でしっかりと言いたいのに、声は言葉を発するごとに小さくなっていく。
「俺も翠葉ちゃんに同じことを言ったのにね。自分じゃできそうにない」
秋斗さんは軽く左右に頭を振って席を立った。
「そんなのずるいですっっっ」
左手で秋斗さんの手をぎゅっと掴んだ。
握られていた手を離されたから。
今、この手離しちゃいけないと思った。
「私もひどいことをしたのでしょう? 秋斗さんを傷つけたのでしょうっ!? 私にはひどいことをされた記憶もなければひどいことをした記憶もないっ。でも、全部ちゃんと聞くし……ちゃんと受け止めようと思うから――」
なんて言葉を続けたらいいんだろう……。
大きな声でしっかりと言いたいのに、声は言葉を発するごとに小さくなっていく。
「俺も翠葉ちゃんに同じことを言ったのにね。自分じゃできそうにない」
秋斗さんは軽く左右に頭を振って席を立った。
「そんなのずるいですっっっ」
左手で秋斗さんの手をぎゅっと掴んだ。
握られていた手を離されたから。
今、この手離しちゃいけないと思った。
「私もひどいことをしたのでしょう? 秋斗さんを傷つけたのでしょうっ!? 私にはひどいことをされた記憶もなければひどいことをした記憶もないっ。でも、全部ちゃんと聞くし……ちゃんと受け止めようと思うから――」
なんて言葉を続けたらいいんだろう……。