光のもとでⅠ
「とりあえず、今は自律神経を整える鍼とストレス軽減の鍼を打つ。ナンバーツーは時間がねぇだろうから、置き鍼にしておく」
 通常、鍼治療は一時間近くかかる。
 置き針とは、丸い絆創膏みたいなものに一ミリに満たない鍼がついており、通常の鍼のように深くは刺せないものの、刺した状態で貼っておいても安全で、きちんと効果が持続するという優れもの。
 すべての箇所に刺し終わると、「闘ってこい」と言われた。
「そのあと発作起こそうが何しようが、俺様が全部引き受けてやる」
 相馬先生は、すごく俺様なお医者様だけど、とても頼りになる。
「……はい。先生はすごくお医者様ですごいお医者様なんですね」
「ケケ、今頃気づきやがって。遅せえんだよ、バーカ」
 額にデコピンを食らったけど、そんなに痛くはなかった。
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