光のもとでⅠ
22
「カイロ? 鍼?」
訊いてきたのはツカサ。
「鍼。先生が置き鍼してくれた」
ツカサはそれを視界に認めると、先ほどと同じようにベッドに腰掛ける。
相変わらず私の方に背を向けて。
でも、右手は私の手が届く場所に置いてある。
それは手をつないでもいいよ、のサインに思えた。
躊躇せず、その手に自分の手を重ねる。
「じゃ、こっちはまた俺に貸してね」
左側のスツールには秋斗さんが座り、私の手を大切なものを扱うように両手で包み込んだ。
「おまえたち……それじゃ翠葉ちゃんが飲み物も飲めないんじゃないか?」
呆れたような静さんの声に、ふたり揃って手を引っ込めた。
訊いてきたのはツカサ。
「鍼。先生が置き鍼してくれた」
ツカサはそれを視界に認めると、先ほどと同じようにベッドに腰掛ける。
相変わらず私の方に背を向けて。
でも、右手は私の手が届く場所に置いてある。
それは手をつないでもいいよ、のサインに思えた。
躊躇せず、その手に自分の手を重ねる。
「じゃ、こっちはまた俺に貸してね」
左側のスツールには秋斗さんが座り、私の手を大切なものを扱うように両手で包み込んだ。
「おまえたち……それじゃ翠葉ちゃんが飲み物も飲めないんじゃないか?」
呆れたような静さんの声に、ふたり揃って手を引っ込めた。