光のもとでⅠ
蒼兄は二十五日からこっちへ帰って来ていたお母さんを迎えにマンションへ行っていたこと。
唯兄が私についていたけれど、秋斗さんが来たということで二階で仮眠を取っていたこと。
「目が覚めた君は、枕元に携帯を伸ばそうとして、そのとき天蓋の外にいる俺に気づいたんだ。すごく驚いた顔をしていた。天蓋の中に入っていいか尋ねたらだめだって言われた。俺は自分まで蚊帳の外の人間になっちゃいけないと思ったし、普通に接したかったから、『お姫様はご機嫌ななめ?』なんて言葉でごまかした。翠葉ちゃんは笑みを添えて答えてくれた。『お姫様はご機嫌斜めなので近づかないほうがいいですよ』って」
その光景が思い浮かばなくはない。
誰に対してもそんな態度を取っていた。
別段、何かが変わったようには思えない。
唯兄が私についていたけれど、秋斗さんが来たということで二階で仮眠を取っていたこと。
「目が覚めた君は、枕元に携帯を伸ばそうとして、そのとき天蓋の外にいる俺に気づいたんだ。すごく驚いた顔をしていた。天蓋の中に入っていいか尋ねたらだめだって言われた。俺は自分まで蚊帳の外の人間になっちゃいけないと思ったし、普通に接したかったから、『お姫様はご機嫌ななめ?』なんて言葉でごまかした。翠葉ちゃんは笑みを添えて答えてくれた。『お姫様はご機嫌斜めなので近づかないほうがいいですよ』って」
その光景が思い浮かばなくはない。
誰に対してもそんな態度を取っていた。
別段、何かが変わったようには思えない。