光のもとでⅠ
「……きっと大丈夫です。何も起らない……。少し混乱しているけど、それでも……やっぱり聞いているだけなの。何も思い出せてはいないから……」
あ、れ……?
妙な違和感を覚える言葉たち。
「翠葉、どうした?」
蒼兄に訊かれた直後、唯兄の人差し指に傾いていた頭をもとの位置に戻される。
頭の中をぐるぐると回る言葉を捕まえて口にする。
「思い出せるわけじゃないから大丈夫って、何が……?」
何が大丈夫なの? それは裏を返せばどういうことなの?
「……思い出したとき、私はだめになるのかな……」
ひどく抽象的すぎる"だめ"とはどんな状態の私を言うのだろう……。
「あんちゃん」
「なんだ、唯」
「妹がダメ人間になったら兄妹って解消できるっけ?」
「いや、そりゃ無理だろ?」
あ、れ……?
妙な違和感を覚える言葉たち。
「翠葉、どうした?」
蒼兄に訊かれた直後、唯兄の人差し指に傾いていた頭をもとの位置に戻される。
頭の中をぐるぐると回る言葉を捕まえて口にする。
「思い出せるわけじゃないから大丈夫って、何が……?」
何が大丈夫なの? それは裏を返せばどういうことなの?
「……思い出したとき、私はだめになるのかな……」
ひどく抽象的すぎる"だめ"とはどんな状態の私を言うのだろう……。
「あんちゃん」
「なんだ、唯」
「妹がダメ人間になったら兄妹って解消できるっけ?」
「いや、そりゃ無理だろ?」