光のもとでⅠ
 ――「悩みを放置して時間が解決してくれることもある。でも、正面切って向かい合わないと超えられない壁だってあんだよ」。
 ――「二者択一だ。人に心配をかけるのと遠ざけて避けまくるのと、どっちがひどい人間だと思う?」。
 ――「言葉はある意味両成敗だ。言ったほうも言われたほうもつらいからな。でも、行動ってのはさ、された側のほうが痛い思いをすると思わないか? その分、罪は重い。それが自己防衛のためならなおさらだ」。

 昇さんに言われた言葉たちが頭の中でぐるぐる回りだす。
 あぁ、思い出してる……。
 苦々しい思いと一緒にそのときのことを思い出す。
 思い出すというのは、きっとこういうことをいうのだろう。
 ちゃんと痛みもあたたかさも、すべて併せ持っているんだ――。
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