光のもとでⅠ
「上に行ってくる」
静さんが言うと、
「静兄様っ、私も一緒に――」
栞さんの申し出を静さんは断った。
「医者の手は足りている。十階で清良が待っているはずだ」
「俺は現状把握で行きたいんだがな。俺はスイハの主治医だ」
相馬先生が名乗りを上げると、仕方ないといったふうで同席を認めた。
静さんにエスコートされるまま廊下を歩き始めると、
「ちょい待てや。スイハはそろそろ限界だ。車椅子に乗せてけや」
相馬先生は車椅子に手をかけた。
静さんには「大丈夫かい?」と訊かれ、「私は大丈夫です」と曖昧に答える。
私の何が限界なのだろう……。
血圧? 心臓? それとも――。
もう、何が大丈夫で何が大丈夫でないのかもわからない。
静さんが言うと、
「静兄様っ、私も一緒に――」
栞さんの申し出を静さんは断った。
「医者の手は足りている。十階で清良が待っているはずだ」
「俺は現状把握で行きたいんだがな。俺はスイハの主治医だ」
相馬先生が名乗りを上げると、仕方ないといったふうで同席を認めた。
静さんにエスコートされるまま廊下を歩き始めると、
「ちょい待てや。スイハはそろそろ限界だ。車椅子に乗せてけや」
相馬先生は車椅子に手をかけた。
静さんには「大丈夫かい?」と訊かれ、「私は大丈夫です」と曖昧に答える。
私の何が限界なのだろう……。
血圧? 心臓? それとも――。
もう、何が大丈夫で何が大丈夫でないのかもわからない。