光のもとでⅠ
 自分がこのライフラインとも言える点滴の類をはずすだなんて――。
 ……記憶を無くしてから、ツカサはずっと側にいてくれた……?
 そうだ、ツカサっっっ――。
 咄嗟に立ち上がり、眩暈を伴ったまま廊下へ向かう。
「おいっ、スイハやめろっ。ラインが抜けるっっっ」
 クン、と点滴に引っ張られた。
 それ以上先へは進めなかった。
 点滴のせいじゃない。
 誰かの手で腕を掴まれたから。
 視界なんて見えてない。
 目算で廊下へ向かったのみ。
 もしかしたら廊下にすら出られなかったのかもしれない。
 でも――。
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