光のもとでⅠ
 添付されているのはひとつの写真。
 とてもきれいに食べつくされたお弁当箱に卵焼きだけがきれいに鎮座していた。
 なるほど、と思った私は「もしかしたら卵アレルギーかもよ?」と返信した。
 こんな他愛のないメールのやり取りは好きだった。
 でも、今は携帯を側に置いておきたくない。
 見たくないし触れたくない……。
 ――本当は違う。
 携帯が視界に入ると、ツカサのことばかりを考えて、どんどん落ち込む自分を自分がどうにもできなくなるからだ。
 だから、目を逸らしたいだけ。
 本当はそれも違うかな。
 本当はお話がしたい。
 でも、それができないから――。
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