光のもとでⅠ
「考え方としては変わらないが、あそこまでストイックになる必要はない。スイハの身体は陰の気質が強すぎる。それを陽に引っ張るために食事を変えるだけだ」
「先生……日陰っ子って言われた気分でちょっと嫌」
「じゃ、日向に出てこいや」
栞さんは相馬先生に渡された本を読破するまで出てくるなと言われている。
あの本の分量を見てしまうと、暗に出てくるな、と言っている気がしてならない。
それは強ち外れていなかったようだ。
「鍼もカイロも俺ひとりでできる。女は冷やすな、ってのは栞姫にも言えることだ。身体があたたかいほうが妊娠しやすい。ここは空調管理が行き届いていて嫌でも冷気を浴びる。長くいていい場所じゃねぇよ」
そう言われた栞さんは驚きを隠せないといった顔をした。
きっと相馬先生は知っているのだ。
栞さんが流産してしまったことも、妊娠を望んでいることも。
「先生……日陰っ子って言われた気分でちょっと嫌」
「じゃ、日向に出てこいや」
栞さんは相馬先生に渡された本を読破するまで出てくるなと言われている。
あの本の分量を見てしまうと、暗に出てくるな、と言っている気がしてならない。
それは強ち外れていなかったようだ。
「鍼もカイロも俺ひとりでできる。女は冷やすな、ってのは栞姫にも言えることだ。身体があたたかいほうが妊娠しやすい。ここは空調管理が行き届いていて嫌でも冷気を浴びる。長くいていい場所じゃねぇよ」
そう言われた栞さんは驚きを隠せないといった顔をした。
きっと相馬先生は知っているのだ。
栞さんが流産してしまったことも、妊娠を望んでいることも。