光のもとでⅠ
「スイハはもう少し休め。夜中からあんな状態じゃ、おまえだって休めてないだろ。飯ができたら起こす。それまでは休め」
 瞼に手を翳し、眠れ、と言われる。
「あのね……前にも――前にも誰かがこうしてくれた気がするの。でも、思い出せない……」
 あれは誰だったのかな。
 いつ、どこで、誰が……どうして――。
「今は何も考えずに寝ちまいな」
「はい……」
 言葉は雑だけど、相馬先生はとても優しい。
 言葉がストンと胸に落ちてくる気がした――。
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