光のもとでⅠ
「昇さん、これ、なんだろう……?」
 最後の写真を昇さんに見せる。
「……携帯、だな」
 そう。写真には携帯がふたつ並んで写っているのだ。
「あ……左のが前の携帯?」
「……そういや、楓が水没がどうのって話してたな?」
 昇さんとふたり顔を見合わせ、目が合ったのが合図で大笑いになった。
「もしかして、壊れた携帯とを新しい携帯を撮って、『壊れた』ことを伝えようとしたのかっ!? でもって、それの前座がこれらの写真か?」
「一言だけでも教えてくれたらいいのに」
「でも、司だからな。不器用なんだよ」
 フォローしてるのかそうじゃないのか。
 わからないくらいに昇さんは笑っている。
「それでも司なりに必死に伝えようとしたんだろうな、と思うと笑える」
 昇さんは笑ってしまうようだけど、私はその言葉がじわりと胸にしみた。
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