光のもとでⅠ
「またおまえ食ってねぇし……」
「先生、無理……。気持ち悪くて食べられない……」
「二週間の我慢だって言ったろ?」
「それは仕方ないと思います。だから、二週間ご飯食べられないのも仕方ないと思って諦めてもらえると嬉しい……」
「んなことできるか」
 こんな言い合いが日常になりつつあった。
 食べろといわれても、嘔吐してしまうほどに気持ちが悪いのだ。
 申し訳ない、と思いつつ、今ばかりは何を口にするのも断固拒否……。
 お水を飲むのがやっとで、お水以外にはお薬しか口にしていなかった。
 ゆえに、高カロリー輸液も未だ外されていない。
 十三日になるとツカサがやってきた。
 吐き気のひどさにそんなことすら忘れていた私は面食らう。
「来るって予告しておいたけど?」
 相変わらずな口調に少しほっとする。
< 2,797 / 10,041 >

この作品をシェア

pagetop