光のもとでⅠ
 気持ち悪いのは変わらないけど、この部屋の空気は重苦しいものから軽いものへと変わっていた。
 重くない……。
 とても呼吸がしやすい空気がいっぱい。
 私、もう少し自分のことを話してもいいかな。
 ツカサの顔を見ると、「何?」って顔をされる。
「私、時々すごく空回りするみたいなの」
「知ってる」
「身体が動かせなかったり体調が悪いと、とくにそれがひどくなるみたいで……」
「そういうのはわかってるから、そのときは空回る前に呼んでほしい。そしたら聞くから」
「……でも、すごく何度も呼ぶかもよ?」
「別にかまわない。少しでも翠の生態や思考回路がわかるほうが俺には貴重」
「……ねぇ、人のこと観察対象として見ていたりしないよね?」
「……していないとは言わない」
「ひどいっ!」
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