光のもとでⅠ
「ええええええっっっ!? そうだったのかっ!?」
 昇に詰め寄られた自分はこともあろうかどんどん顔が熱くなる。
「嘘……」
 翠葉の声が耳に届いても何も返すことができなかった。
「翠葉ちゃん、病室を騒がせたうえに驚かせたね」
 隣の男はどこまでも余裕そうに対応する。
 それがまた癪に障った。
「静のばかっ」
 一言吐き捨て病室を飛び出した。

 廊下をカツカツ歩き、少し離れた病室へ入る。
「もおおおおおおおっっっ、なんであの男がここにいんのよっっっ」
 ソファに置かれたクッションを思い切り投げやる。
 なんであいつなの? なんで昇と知り合いなのっ!?
 過去のことを思い出すのも忌々しい……。
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