光のもとでⅠ
06
目が覚めて、天井を見ればどこにいるのかがわかる。
保健室だ。
ぶら下がっている点滴のパックにはいつもと同じ名称が書かれている。
ソルデム3G。きっとビタミン剤も入れてくれている。
体中に水分が行き渡る感覚。
成分はポカリスエットとほとんど変わらないという輸液。経口摂取を努めているつもりでも、やっぱり全然足りてなくて、軽く脱水症状を起こしているのだろう。
あと少しで点滴が終わる。この点滴は五百ミリリットルを二時間半から三時間かけて落とすから、今は一時半過ぎたくらいだろうか……。
点滴を打たれていない右手をポケットに入れ、携帯を取り出し時間を確認する。
やっぱり一時四十分。
そのとき、静かに湊先生が入ってきた。
「あら、起きてたの?」
「今起きました」
「少し起きれる?」
上体を起こそうとすると手を背中に添えて支えてくれた。
軽い眩暈はするものの、なんとかなりそうな範囲。
「シュークリームなら食べられるでしょう?」
「え……?」
「嫌かもしれないけど、薬飲むには何か食べたほうがいいから」
あ、そうか……。もうお昼も過ぎてるから……。
「はい、食べます」
湊先生はひとつため息をつくとカーテンから出ていった。
保健室だ。
ぶら下がっている点滴のパックにはいつもと同じ名称が書かれている。
ソルデム3G。きっとビタミン剤も入れてくれている。
体中に水分が行き渡る感覚。
成分はポカリスエットとほとんど変わらないという輸液。経口摂取を努めているつもりでも、やっぱり全然足りてなくて、軽く脱水症状を起こしているのだろう。
あと少しで点滴が終わる。この点滴は五百ミリリットルを二時間半から三時間かけて落とすから、今は一時半過ぎたくらいだろうか……。
点滴を打たれていない右手をポケットに入れ、携帯を取り出し時間を確認する。
やっぱり一時四十分。
そのとき、静かに湊先生が入ってきた。
「あら、起きてたの?」
「今起きました」
「少し起きれる?」
上体を起こそうとすると手を背中に添えて支えてくれた。
軽い眩暈はするものの、なんとかなりそうな範囲。
「シュークリームなら食べられるでしょう?」
「え……?」
「嫌かもしれないけど、薬飲むには何か食べたほうがいいから」
あ、そうか……。もうお昼も過ぎてるから……。
「はい、食べます」
湊先生はひとつため息をつくとカーテンから出ていった。