光のもとでⅠ
「緑山に秋斗様がいらしたらどうなさるおつもりで?」
「……一発二発殴らないことには気が済まない」
「ふふふ、青春ですねぇ」
 ニヘラ、と笑う男をひと睨みすると、
「嘘ですよぉ~……。ただ、ワタクシ、暴力だけは受け付けませんでして、車にて待機させていただきますね。それから、救急箱のご用意をしておきます」
 静さんがどうしてこの男をスカウトしたのかが疑問でならない。
 何か光るものがあるとは到底思えなかった。
 しかし、選ばれるだけの何かがあることは間違いないのだろう。
 車が停車し、脱水症状のことも考えスポーツ飲料と軽食を入れたビニール袋と共に車を降りた。
 管理人がいる棟の呼び鈴を鳴らすと、管理人はすぐに出てきた。
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