光のもとでⅠ
「……助かります。このあとですが、明日一日はまだここにいることになりそうです。明後日の朝、迎えに来てもらえますか?」
「すぐにお帰りにはならないんで?」
「……気持ちの整理が必要でしょうから」
 俺が秋兄だったら――。
 そんな仮説で物事を考えられるほど簡単なことではなかった。
 けれど、時間が要すことくらいはわかる。
「司様、年齢を詐称していたり――」
「しません」
「さようですか……。世の中にはこんなにしっかりした十七歳がいるものなのですねぇ。いえ、感心しきり。では、ボスにはワタクシから連絡を入れておきます。それから、明後日朝七時にお迎えにあがります」
 支倉と名乗る男は、来た道をバックで去っていった。
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