光のもとでⅠ
「そうだ……俺、インターハイ終わって帰ってきたばかりじゃなかったか?」
 今日はもう寝てしまおう。
 起きていてもすることはない。
 とりあえず、今は寝て、今後のことは明日考えればいい――。



 翌朝は鳥のさえずりに目を覚ました。
 携帯を見れば朝の五時前。
 顔を洗い、昨夜冷蔵庫に入れたコーヒーのプルタブを開ける。
 窓の外に目をやると、別荘の前に秋兄が出ていた。
 白いシャツに黒いジーパンという出で立ちで射法八節をきれいにこなす。
 それは射法八節という厳かな儀式、一連の所作のようなもの。
< 2,898 / 10,041 >

この作品をシェア

pagetop