光のもとでⅠ
「何」
「いや、司の手癖足癖の悪さは湊ちゃん譲りだなと思って……」
「ご希望とあらば、もう一発ずつくらい見舞うけど?」
 秋兄は小さくプルプルと首を横に振った。

「若槻さんに電話は?」
「若槻は今電話に出る余裕ないから電源落としてるって」
 それもそうか……。
 秋兄がここにいるということは、秋兄に振られる開発関連の仕事を全部引き受けているのと変わらない。
 しかも、今回のことは御園生さんには知らされていないはずだから、強力な補助なしでこなしているわけで……。
 ――お気の毒、その言葉しか思い浮かばなかった。
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