光のもとでⅠ
11~12 Side Tsukasa 07話
稲荷さんの案内で渓流釣りポイントに着くと、奥さん以外の男三人が釣りを始めた。
竿から釣り糸をぶら下げるだけで魚が釣れるのだから、バカな魚がいたものだ。
俺は岩の上から、秋兄は川の中に入ったり、俺の裏側に座っていたり、あちこちに場所を移す。
秋兄らしからぬアクティブさに、見ているこっちは気味が悪くて仕方がない。
「森の中に人――」
少し硬い声が背後から聞こえてきた。
でも、その人物には俺も気づいていつつ放置していた。
視線の主が誰だかわかっているからだ。
「それ、ゼロ課の支倉って人だから問題ない。秋兄の脱走を阻止する任務についてる奇特な人」
「なんだ、それ……。奇特すぎるだろ?」
秋兄が言うなよ……。
竿から釣り糸をぶら下げるだけで魚が釣れるのだから、バカな魚がいたものだ。
俺は岩の上から、秋兄は川の中に入ったり、俺の裏側に座っていたり、あちこちに場所を移す。
秋兄らしからぬアクティブさに、見ているこっちは気味が悪くて仕方がない。
「森の中に人――」
少し硬い声が背後から聞こえてきた。
でも、その人物には俺も気づいていつつ放置していた。
視線の主が誰だかわかっているからだ。
「それ、ゼロ課の支倉って人だから問題ない。秋兄の脱走を阻止する任務についてる奇特な人」
「なんだ、それ……。奇特すぎるだろ?」
秋兄が言うなよ……。