光のもとでⅠ
「坊ちゃん方! お昼の用意が整いましたので、気をつけてお戻りください」
岸辺から稲荷さんに声をかけられ、川の中をずぶずぶと歩きながら戻る。
テーブルなどがセッティングされている場に着くと、焼きとうもろこしのいい匂いがした。
食材は程よく火が通っており、あとは釣ってきた魚を焼くだけ。
一枚のトレイを手に取り、端から一品ずつ取り分ける。
その場を離れようとすると、「どこへ行く?」と秋兄に声をかけられた。
「木陰にいる奇特な人に差し入れ」
「あ、そう」
それ以上何を説明する必要もなく、目星をつけていたあたりへと足を向けた。
「支倉さん」
声をかけると、木陰からひょっこりと顔を覗かせる。
「よくわかりましたねぇ?」
「視線でだいたいの場所はわかる。それに、盗み見ではなく堂々と見てたでしょ」
岸辺から稲荷さんに声をかけられ、川の中をずぶずぶと歩きながら戻る。
テーブルなどがセッティングされている場に着くと、焼きとうもろこしのいい匂いがした。
食材は程よく火が通っており、あとは釣ってきた魚を焼くだけ。
一枚のトレイを手に取り、端から一品ずつ取り分ける。
その場を離れようとすると、「どこへ行く?」と秋兄に声をかけられた。
「木陰にいる奇特な人に差し入れ」
「あ、そう」
それ以上何を説明する必要もなく、目星をつけていたあたりへと足を向けた。
「支倉さん」
声をかけると、木陰からひょっこりと顔を覗かせる。
「よくわかりましたねぇ?」
「視線でだいたいの場所はわかる。それに、盗み見ではなく堂々と見てたでしょ」