光のもとでⅠ
 そう言われても仕方のない状況を作ったのは自分だし、今の今までこれを若槻が負っていたかと思えば何を言えるわけもなく。
 観念してデスクチェアに腰掛けた。
 パソコンを起動させた直後、
「嘘ですよ。急ぎの案件はこのメモリの中に入ってます」
 心なしほっとする。
「聞き分けのいい秋斗様など不気味以外の何者でもないのでやめてもらえませんか」
 これはどう受け取ったらいいものか……。
「リビングテーブルの上に進行表がございます。それから、夕飯と薬も。薬は先ほど病院から届きました。診察は明日の夜、司様のご自宅で涼様に診ていただけることになっています」
 俺が何も言えずにいると、
「お体は大切にされたほうがよろしいと思います」
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