光のもとでⅠ
 いつもより丁寧な言葉で叱られた気がした。
 怒られるでも呆れられるでもなく、諭されるでも諌められるでもなく、叱られた気がした。
「……蔵元、ありがとう」
「いえ、私はこれで帰りますので」

 蔵元が帰ってリビングにある進行表を見ると、仕事のスタートは明日の九時からになっていた。
 そして、若槻にも同じように仕事が振られている。
 そこに書き添えられていたのは、一段落ついたところで若槻に連休を与える、という条件だった。
 どうしてか、目から涙があふれその場に座り込んだ。
「これ、なんて感情の涙だ……?」
 答えまでには時間を要した。
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