光のもとでⅠ
 じーさんはおかしそうに笑った。
「そういうところが涼譲りなんじゃよ」
「……俺、そんなに父さんに似てる?」
「そっくりじゃ。あぁ見えて、一番真白に近い性質を持っているのは湊じゃろうの」
「はっ!?」
「司は涼の血が濃い。それに、真白の天性の優しさが根底にある。人間としてバランスがいい気質じゃろう」
「どう担がれても会長なんて無理。っていうか、これから帝王学を学つもりもさらさらない」
「そんなこと危惧せんでも、司は秋斗に仕込まれとるじゃろう」
「は……? 身に覚えがないんだけどっ!?」
「いつか秋斗や静に訊くがよい。話は以上じゃ。お姫様のところへ行くんじゃろ? 早うせい」
 呼び出した本人にそう言われて庵を追い出されるのだからたまらない。
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