光のもとでⅠ
 きっとこれなら大丈夫だろう……。
 でも、どうやって切り出すか……。
 つけていなければ、適当にチェーンを替えてしまえばいい。
 つけていたら……?
 つけていてくれたら嬉しいけど、それをつけたり外したりするたびに痛い思いはさせたくない――。

 汗をかくこともなく病院に着き、警備室前をそのままスルーして歩みを進める。
 エレベーターで九階へ上がると、ロビーに昇さんともうひとり知らない医師がいた。
 きっとこの人が相馬医師なのだろう。
 挨拶をしようとすれば、手で行った行った、と追いやられる。
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