光のもとでⅠ
「スイハが病室で待ってんだよ」
 と、初対面にも関わらず追い払われた。
 面食らった俺を笑いながら、昇さんが口を開く。
「そわそわしてるからさっさと行ってやれ」
 この場にいるふたりに言われたらそうせざるを得ない。
 とりあえず、浅く会釈して病室へと急いだ。
 ナースセンターでは栞さんが申し訳なさそうに寄ってくる。
「昨日はごめんなさいね? 静兄様が何か急なお願いしたみたいで」
「うちの親族、そういう人間多いので慣れてます」
「そうね……。でも、ありがとう」
 別段、栞さんに礼を言われるようなことはしていないわけだけど、詳細を知らない人間に話す必要もない。
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