光のもとでⅠ
「なんか……すごい日焼けしたね? 肌真っ赤」
「……数日後には落ち着く」
「ツカサも赤くなって痛いだけで焼けない人?」
「そう」
「じゃ、私と同じ!」
 無邪気に笑う翠を見ると、帰ってきた、という気になる。
「ツカサ、いいことあった?」
「……いいことというよりは、最悪なことだらけの気がするけど?」
 いいことは今あったけど、そのほかは最悪なことだらけな気がする。
「だって、いつもよりも顔が優しく見えたよ?」
「それ、いつもは怖いって言いたいの?」
 つい……つい、嫌みのようなことが口をついてしまう。
「怖いなんて言ってないよ。ただ、ツン、として見える……かな?」
 それもどうなんだか……。
「ツカサ……?」
 下から覗き見るように声をかけられた。
「それ、自分で外せる?」
「あ……ネックレスのこと?」
「そう」
 身につけてくれているのは嬉しいと思う。
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