光のもとでⅠ
 そして、「なぜ、どうして?」と目が訴えてくる。
「悪い、これ以上は話せない……」
「……ツカサ、ひとつだけ教えて?」
「答えられることなら」
 これ以上、何を話せるだろう。
「これ以上話せない理由は何? 知っているけど話せないの? 知らないから話せないの?」
「……後者。どんなことがあったのかは粗方わかってる。でも、どの部分が引き金になって記憶を無くしたのかはわからない。俺の目の前で起きたことだけど、俺はその事柄すべてを把握することはできなかったし、翠が何を感じて記憶を無くしてしまったのか、そこまではわからなかった。……想定しようと思えばできる。でも、それは俺個人の見解であって、真実ではない。だから、話せない」
 確かに、俺はあの場にいた。
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