光のもとでⅠ
話の内容も流れも何もかもを覚えている。
けれど、何が翠の心を壊してしまったのかまではわからなかった。
秋兄のことなのか、カメラのことなのか、その状況すべてだったのか――。
どうして、「消えてしまいたい」なんて思ってしまったのか……。
「……すごくツカサらしい理由だね」
顔を上げると翠が笑みを浮かべていた。
「なんで笑う……?」
「私は……色々と知りたいこともあるけれど、ツカサを困らせたいわけじゃないし、確信がないことを口にするのは憚られる、というのもわからなくはない。だから、そういう理由なら訊き出そうとは思わない。……いいよ。明日、藤宮秋斗さんに会う」
笑っているけど、秋兄に会わせることが百パーセントいいことなのか、と自分に問えば、それには「否」と答える自分もいて――。
けれど、何が翠の心を壊してしまったのかまではわからなかった。
秋兄のことなのか、カメラのことなのか、その状況すべてだったのか――。
どうして、「消えてしまいたい」なんて思ってしまったのか……。
「……すごくツカサらしい理由だね」
顔を上げると翠が笑みを浮かべていた。
「なんで笑う……?」
「私は……色々と知りたいこともあるけれど、ツカサを困らせたいわけじゃないし、確信がないことを口にするのは憚られる、というのもわからなくはない。だから、そういう理由なら訊き出そうとは思わない。……いいよ。明日、藤宮秋斗さんに会う」
笑っているけど、秋兄に会わせることが百パーセントいいことなのか、と自分に問えば、それには「否」と答える自分もいて――。