光のもとでⅠ
 ここまで衰弱するほどに痛みに耐える理由はなんだったのか、ここまで我慢できる精神力とはどんなものなのか――。
 考えずにはいられないほどに痩せ細り、やつれた顔をしていた。
「なぁ、栞……。すごいこじつけしてもいいか?」
「……私が納得できる言葉が欲しい」
「……その翠葉ちゃんを説き伏せた人間が司なんだろ? ある意味ゴールデンコンビじゃね?」
「…………」
 納得したか?
 胸におさまる奥さんを見下ろすと、
「悔しい……納得したくないけど、納得できなくもない」
 その返答に、俺が笑う前に相馬が笑った。
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