光のもとでⅠ
 それには答えず、手におさまるディスプレイに視線を落とす。
 本当に、信じられない……。
 血圧がいつもと比べたら異様に高い。脈拍も全くもって安定していない。
 さっきから時折こめかみを押さえていたのは頭痛のせいか?
 こんなに脈がバラバラで本人はつらくないのだろうか……。
「そこまで数値が荒れてりゃ本人だって多少の違和感なり症状を感じているはずだ」
 相馬さんの言葉が耳に痛い。
 それでも翠は言わない。誰にも――。
「坊主、あんま長引かせんなよ」
 にやりと笑う顔は何かを企んでる人間のもの。
「あぁ……そういうこと」
「察しがいいな?」
「……別に。いつだって俺の役目はそんなのばかりだ」
「そうなのか?」
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