光のもとでⅠ
その代わり、翠の体調を気遣う余裕は俺にもない。
「その先は俺が話す」
秋兄が何度か口を挟んだが、そのたびに申し出を蹴った。
どんなふうに話そうがどんなに時間をかけようが、今翠が記憶を取り戻すことはないのだろう。
ならば時間をかけるよりもとっとと終わらせて休ませるほうがいい。
第一――。
「秋兄が話すとオブラートに包みすぎて現実が歪む」
これ以上話が明後日の方向を向くのは勘弁してもらいたい。
その軸道修正までやってられない。
自分が話せる範囲は簡潔に語れたと思う。
けど、この先は秋兄にしか話せない――。
つまり、これが最後の話だ。
「その先は俺が話す」
秋兄が何度か口を挟んだが、そのたびに申し出を蹴った。
どんなふうに話そうがどんなに時間をかけようが、今翠が記憶を取り戻すことはないのだろう。
ならば時間をかけるよりもとっとと終わらせて休ませるほうがいい。
第一――。
「秋兄が話すとオブラートに包みすぎて現実が歪む」
これ以上話が明後日の方向を向くのは勘弁してもらいたい。
その軸道修正までやってられない。
自分が話せる範囲は簡潔に語れたと思う。
けど、この先は秋兄にしか話せない――。
つまり、これが最後の話だ。