光のもとでⅠ
 行きたくないと思うからか、廊下を進む足も身体も、何もかもが重く感じる。
 エレベーターに乗ると、「悪い」と秋兄に謝られた。
「別に……っていうか、何に謝罪? ……あぁ、やっぱいい、聞きたくない。それに、謝るんだったら俺のほうじゃない? 何も『今日』である必要はなかったよね」
 たかだか一階分上がるだけ。
 エレベーターに留まっていられる時間は短い。
 十階に着くと、異彩なメンバーがこちらを向いて待っていた。
 話は簡単で、あの日にあったことをそのまま秋兄が再現する、というもの。
 藤原さん、趣味悪すぎ……。
 秋兄がどのくらい堪えているのか察してくれてもいいだろ?
 じゃないと、また俺がこの人間のフォローする羽目になるんだけど……。
 こんなの、秋兄にとったら生き地獄だ。
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