光のもとでⅠ
 ……身体が起こせないって何?
 その直後、喉の異変にも気づき声を出そうとしたら咳が出た。
 まずい――声が出ないって……風邪か!?
 自分の額に手を当てるも、全然わからない。
 八時じゃ父さんは出勤しているし……。
 できることならあと一時間早く起きたかった。
 ……でも、起きられたところでどうできる気もしない。
 声は出ないし身体は起こせない。
 窓際に干してある携帯に目をやり、あれを通電するわけにはいかない……。
 携帯さえ使えればメールという手段も取れたが、現状携帯は使えないし、そのほかのメールツールはデスクにあるノートパソコンのみだ。
 さすがに十時を過ぎれば母さんが起こしに来るだろう。
 すごくまずい気がする……。
 でも、申し訳ないくらいに頭が働かない……。
 気づけば俺はまた眠りに落ちていた。
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