光のもとでⅠ
当たり前のことを自信満々に宣言され、部屋の子機を手に取ると、母さんはどこへかけるか逡巡し始めた。
「今日は涼さん忙しいのよね……。かといって楓のシフトまではチェックしていないし……。あ、湊ちゃんなら大丈夫ね」
いや、その人だけはやめて……。
こちらに背を向けている母さんに意思を伝えられるわけがなく、あえなく断念。
熱ってこんなにだるくなるものだったか?
久しぶりすぎてよくわからない。
ただ寝ているだけなのに息が切れる。
熱、いったい何度あるんだか……。
「湊ちゃん? 司が熱を出しているの。――声も出ないみたい。疲れているんだろうと思って寝かせていたのだけど、実は発熱で起きられなかったみたいで。――えぇ、氷嚢だけしたら部屋から出るわ。じゃ、お願いね」
「今日は涼さん忙しいのよね……。かといって楓のシフトまではチェックしていないし……。あ、湊ちゃんなら大丈夫ね」
いや、その人だけはやめて……。
こちらに背を向けている母さんに意思を伝えられるわけがなく、あえなく断念。
熱ってこんなにだるくなるものだったか?
久しぶりすぎてよくわからない。
ただ寝ているだけなのに息が切れる。
熱、いったい何度あるんだか……。
「湊ちゃん? 司が熱を出しているの。――声も出ないみたい。疲れているんだろうと思って寝かせていたのだけど、実は発熱で起きられなかったみたいで。――えぇ、氷嚢だけしたら部屋から出るわ。じゃ、お願いね」