光のもとでⅠ
09
あのあと、栞さんが夕飯を大きなダイニングテーブルに並べ、初めて顔を並べるメンバーで夕飯を食べた。
相変らず両親と静さんは楽しそうに話しているし、司先輩はご飯が食べ終わればすぐに本を読み始める。
湊先生と栞さんは休日にショッピングへ行こう、と話していた。
蒼兄は両親と静さんの会話に混じっていた。
私は、そのどこにも混じっていない。なんというか、早すぎるペースで色んなことが決まってしまい、まだそれに頭がついていかれずにいた。
「翠葉ちゃん」
そんな私に声をかけてくれたのは静さんだった。
「下の階、これから翠葉ちゃんと蒼樹くんが暮らす場所を見にいかない?」
「あ、はい」
「司も来いよ」
静さんがソファで本を読んでいる司先輩に声をかけると、
「別にかまわない」
読みかけの本を置いて立ち上がり、私の側まで来て立ち上がるのに手を貸してくれた。
その手を取ると、クスクス、と後ろから笑いが聞こえてきた。
不思議に思って振り返ると、お母さんやお父さん、蒼兄がにこにこと笑っていた。
「翠葉が蒼樹以外の人と接しているのを見るのは初めてだわ」
嬉しそうにお母さんが口にした。
「そうだなぁ……。なんだか非常に新鮮だ」
と、お父さん。
「あとね、海斗くんと佐野くん、桃華さんと飛鳥ちゃん、それから秋斗さんも普通に喋れるのよ」
そう答えると、
「秋斗くんはこの間会ったとして、ほかの四人はまだ会ったことないわね。いつか会ってみたいわ」
「うん、いつか紹介する」
どうしてか、こんな会話にすら幸せを感じる。
今は離れて暮らしているからだろうか……。
相変らず両親と静さんは楽しそうに話しているし、司先輩はご飯が食べ終わればすぐに本を読み始める。
湊先生と栞さんは休日にショッピングへ行こう、と話していた。
蒼兄は両親と静さんの会話に混じっていた。
私は、そのどこにも混じっていない。なんというか、早すぎるペースで色んなことが決まってしまい、まだそれに頭がついていかれずにいた。
「翠葉ちゃん」
そんな私に声をかけてくれたのは静さんだった。
「下の階、これから翠葉ちゃんと蒼樹くんが暮らす場所を見にいかない?」
「あ、はい」
「司も来いよ」
静さんがソファで本を読んでいる司先輩に声をかけると、
「別にかまわない」
読みかけの本を置いて立ち上がり、私の側まで来て立ち上がるのに手を貸してくれた。
その手を取ると、クスクス、と後ろから笑いが聞こえてきた。
不思議に思って振り返ると、お母さんやお父さん、蒼兄がにこにこと笑っていた。
「翠葉が蒼樹以外の人と接しているのを見るのは初めてだわ」
嬉しそうにお母さんが口にした。
「そうだなぁ……。なんだか非常に新鮮だ」
と、お父さん。
「あとね、海斗くんと佐野くん、桃華さんと飛鳥ちゃん、それから秋斗さんも普通に喋れるのよ」
そう答えると、
「秋斗くんはこの間会ったとして、ほかの四人はまだ会ったことないわね。いつか会ってみたいわ」
「うん、いつか紹介する」
どうしてか、こんな会話にすら幸せを感じる。
今は離れて暮らしているからだろうか……。