光のもとでⅠ
「そういえば、携帯が点滅しているの気づいてた?」
「え?」
「昨日からだったかしら?」
 母さんは首を傾げながらキッチンから出てくる。
「私が気づいたときには携帯のランプが点滅していたけれど」
 目の前に雑炊を差し出され、「あとで確認する」と答えた。
 母さんに言われなかったら今日も放置しているところだった。
「まだ声だけは掠れているわね」
「風邪、持ち込んで悪い」
「いいのよ。こんなことがなければ家族五人揃うこともないし」
 母さんは嬉しそうに笑った。
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