光のもとでⅠ
「あ、いや……普通に美味しい」
「ダメ、やり直し」
「……美味しいです」
「そう。美味しいに普通はないのよ?」
 少し拗ねた表情をした母さんに再度謝った。
「母さん」
「なぁに?」
「母さんはさ、具合が悪いとき、人にそれを言える?」
 どうしてこんな話を持ち出したのかは不明。
 ただ、訊きたいと思った。全くの健康、とは言い切れない母親に。
「言える言えない、なら言えるわ」
 それはどういう意味だろう。
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