光のもとでⅠ
「言えるけど、言いたいのとは意味が違うでしょ?」
「……身体が弱い人間ってそう考えるもの?」
母さんは苦笑しながらため息をついた。
「そうやって一括りにするのは良くないわ。……たとえば、司は今回熱を出したことを誰かに言った? 誰かに言いたい?」
言いたくない。
間違っても翠とか秋兄とか――できれば姉さんや兄さんにだって知られたくはなかった。
「ね?」
「……でも、俺はともかく、言ったほうがいい人間もいると思う」
「だから、よ。言えるか言えないか、なら言えるわ。でも、言いたいか言いたくないか、気持ちの部分は別って……そういう話じゃないの?」
簡単そうで難しい――。
「……身体が弱い人間ってそう考えるもの?」
母さんは苦笑しながらため息をついた。
「そうやって一括りにするのは良くないわ。……たとえば、司は今回熱を出したことを誰かに言った? 誰かに言いたい?」
言いたくない。
間違っても翠とか秋兄とか――できれば姉さんや兄さんにだって知られたくはなかった。
「ね?」
「……でも、俺はともかく、言ったほうがいい人間もいると思う」
「だから、よ。言えるか言えないか、なら言えるわ。でも、言いたいか言いたくないか、気持ちの部分は別って……そういう話じゃないの?」
簡単そうで難しい――。