光のもとでⅠ
「別に……ほかに何も思いつかなかったから」
 言って、司は恥ずかしそうにそっぽを向いた。
 照れているところがなんともかわいい。
「でもさ、写真だけで誤解が解けるとは思ってないよな?」
「……中に壊れた携帯の写真と新しい携帯の写真も入ってる」
 どこまでも不器用なやつ……。
「手紙も何も入れてないのか?」
「……明日はまだやめておいたほうがいいと思ったから、明後日には行くって書いた」
 おいおい、それだけかよ……。
「……出世払いでもなんでもいいから、あとは兄さんがどうにかしてよ」
 くっ、そういうことか……。
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