光のもとでⅠ
 そんな会話ののちに真っ白な飾り気のない封筒を預かった。
 宛名には「翠へ」と書かれ、差出人には「司」と書かれている。
「愛想のなさって文字にも表れるんだな……」
 そんなことを思いながら病院へ向かう。
 それにしても、自己管理、か……。
 気持ちはわからなくもないけれど、でも――。
「司、人間ってそんなにパーフェクトにはいかないぞ」
 早くそれに気づけ……。

 九階へ行くと、ナースセンターには誰もいなかった。
 治療中か……?
 代わりに廊下の長椅子にマンションのコンシェルジュ、葵くんがいる。
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