光のもとでⅠ
「ふーん……別にロボットでもなんでもいいけど、人をサーモグラフにかけたり機械にするのやめろよな」
 どんどんむくれていく翠がかわいいと思った。
「あのさ、俺はこういうほうが助かるんだけど……」
「え……?」
 むくれた顔はどこへやら……。
 きょとんとした顔が俺を見上げた。
 思っていること、伝われ――。
「思ってること、そのまま言ってくれるほうが助かる。ケンカ腰でもなんでもいいから、あまり考えすぎずに話してくれるほうがわかりやすい」
「……どういう意味?」
 翠の読解能力を少し疑う。
 けれども、面倒くさがらずに全部話す心づもりはある。
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